起業家の基礎知識「イノベーター理論」知らないとヤバイぞ。

イノベーター理論

どんな事業をやろうとも、商売人・起業家なら知っておくべき理論の1つがイノベーター理論。

イノベーター理論とは、簡単にいうと1つのブームに乗っかる人の種類をタイミング別に5つに分けたものです。

1.ブーム一番乗り!
2.ブーム二番乗り
3.「皆んな乗っかっているので」三番乗り
4.終わるころにようたく乗っかる四番乗り
5.ブームに乗らない人

グラフで書くとこんな感じ。

イノベーター理論

起業家必須のフレームワーク

イノベーター理論の何が良いかというと2つあります。

1つ目は、「自社商品のサービスが市場にどの程度受け入れられているか?」をチェックする思考のフレームワークになるということ。

新商品が、よほどのマーケティング力がないかがいり、いきなり爆発的に売れることはまれで、なかなか売れない。

まずは1番手(イノベーター)からスタートして、2番手(アーリーアダプター)が採用、徐々に売上カーブが上昇。

このときは3番手( アーリーマジョリティ(Early Majority/前期追随者) )が来たな。

という風に、新商品や新サービスのマーケットへの馴染み具合を感覚的に掴むことができます。

2つ目は、参入タイミングの見極めのフレームワークになる。

「タピオカがブームになって冷め。」たのは記憶に新しいですが、世の中のトレンドが今どの段階なのかを測る指標になります。

もちろん、何の見識もなくトレンドのステージを見極めるのは難しいので、情報収集は怠らないようにします。

別の記事でも書いていますがキッチンカー開業が、ブームの夜明けから朝方に来ています。

イノベーター理論で言えば2番手3番手あたり。

個人の参入も増えつつあるのと同時に、さすが大手企業なども気づいていて、キッチンカー事業をスタートさせているところもあります。

もちろん、 マーケットのトレンド がイノベーター理論のグラフ通りが進むとは限りませんが、そこは商売の経験と勘頼みですね。

ついでに製品ライフサイクル知っておきたい

イノベーター理論の製品版が「製品ライフサイクル」。

世の中は諸行無常の世の中。

この地球上では永遠はなく常にすべてが変化しているという意味。

ブームが永遠に続かないのと同じ用に製品も永遠に売れ続けることはありません。

それをグラフで表したのが製品ライフサイクル。

製品は「導入期」→「成長期」→「成熟期」→「衰退期」と4つのステージを経て終焉へと向かいます。

20年以上、ネット販売事業でいろいろな商材を売ってきましたが、見事なまで、この製品ライフサイクル通りの運命をたどっています。

これをわかっていないと、「めっちゃ売れている」ときに「永遠に売れ続けるのではないか?」と勘違いしてしまいます。

起業したてのころ、バカ売れしていた商材があったのですが、「たまごっちブームの例」が念頭にあったものの大量在庫を抱えてしまったことがありました。

ちなみに「たまごっち」とは、1990年代にブームになったオモチャ。

発売元のバンダイはブームの陰りに気付くことなく大量の在庫を抱えることになりました。

それまでに経験したことがない大ブームに大増産を行ったバンダイは不良在庫の山を抱えることになり、在庫保管費などが経営を圧迫、1999年3月にメーカー在庫250万個を処分。

https://ja.wikipedia.org/wiki/

身近にあるイノベーター理論の「まんま」

イノベーター理論は、あなたが生まれるはるか昔の1962年。

アメリカはスタンフォード大学の社会学者「エベレット・M・ロジャース教授(Everett M. Rogers)」が提唱した理論です。

商品やサービスへの食いつき方別に5タイプ分けた理論であることは先に触れたとおり。

新商品に一番に食いつくのは(1)イノベーター(Innovator)

好奇心旺盛の新しもの好きの申年とか。

ガラケーが当たり前の時代にiPhoneを発売と同時に使い始めるわけです。

ガラケーユーザーから見ると変わり者に見える人たちです。

市場の中では2.5%くらい。

100人中2人なんで「変わった人」扱いなのがイノベーターと言えるでしょう。

でも、「ガラケー命」ではないけど、なんとなく「iPhone」に興味のあった人がiPhone 3GやiPhone3GSあたりから、おっかなびっくりで乗り換えることが増えてきます。

これらの層が(2)アーリーアダプター(Early Adoptor)です。

オピニオンリーダーとも呼ばれます。

市場の13.5%くらいいると言われています。

つまり、100人中13人なので、100人のグループの中では、それなりの存在感を示すことになります。

100人中10人が使っているとなると「え?あなたもそれなの?」と、使っている人を目の当たりにして(確認して)結果的に乗り換える人が(3)アーリーマジョリティ(Early Majority/前期追随者)。

市場で占める割合は34%です。

その後に続くのが(4)レイトマジョリティー(34%)

「みんな使ってるから私も。」とか「友達に進められたので。」というやつですね。

慎重派とも言えるかもしれません。

最後は、スマホ全盛にもかかわらず、ゴーイングマイウェイのガラケー派の人たち。

それが、(5)「ラガード(Laggards/遅滞者)(16%)」。です。

ITにうとい老人たちにはラガードが多いわけですが、「遅滞者」なんて言うとバカにしているような印象を受けますね。

起業家の狙うべきは2、3ステージ

イノベーター理論と市場の関係性を知ったなら、起業家としては2や3のステージが一番の狙い目だと言えます。

中華系の事業者は、あまりそういったことに疎いのか、タピオカブームもすっかり冷めているのに出店していたりします。

まあ、金だけは持っているから楽しんでやっているのでしょう。

でも、シビアに起業する人なら、やはり参入タイミングは生死を分けるくらい重要なわけですから、イノベーター理論でいう2、3あたりを狙うのが当て安いですね。

言葉で書くのは簡単ですが、実店舗を持ってアルバイトなどを雇って事業を進めるとなると、今度は「マネジメント」のスキルも必要になってきます。

どんな事業も、自分ひとりでやる分には「人」の問題は発生しないけどビジネスは大きく育てられない。

でも、ビジネスを大きく育てようと思うと、必ずマネジメントの壁に突き当たります。

今、イノベーター理論でいう2、3の段階の新規事業のアイデアがいくつかあるのですが、プランの作成も簡単だし資金も簡単に入手できる。

でも、一番エネルギーを必要とするのが「人」です。

これまでアルバイトをたくさん雇ってきましたが、けっこう苦労してきました。

その苦労が、ちょっと足かせになって腰が重くなっている今日このごろ・・・

Uber Eatsも狙い目

2017年11月に横浜からスタートしたUber Eats。

今では、政令指定都市(100万人都市)ほとんど全てでサービスが開始され、コロナ茶番劇の影響もあって一気に認知度があがりました。

そう聞くと「Uber Eats」を始めるだけで「儲かる」と勘違いしそうです。

残念ながら、そうは問屋が卸しません。

政令指定都市は人口も多いのでそれなりに成り立ちますが、ベッドタウンや地方の県庁所在地などは、まだまだユーザーが時代の流れに乗れていない状況です。

しかも手数料が40%近くあり、よほど原価率や固定費を低レベルに押さえないと利益が出せない業態になっています。

ネットが普及したとは言え、やはり都会と地方では情報格差があります。

でも、徐々にこの流れは地方へと広がっていきます。

だから、そこそこ人口(10人以上)のある都市ではUber Eatsで勝ちパターンを作ることが可能でしょう。

Uber Eatsの伸びは確定しているので、後は、「一般ピープルがいつついてくるか。」というだけです。

それなら1番乗りもアリでしょう。

ABOUTこの記事をかいた人

ゆるい起業家。ECや飲食、コンサル、投資*などをいろいろやってます。座右の銘は「のらりくらり」。*マルチやネットワークではない。まっとうな投資。