認知的不協和

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認知不協和は「にんちふきょうわ」と読みます。

企業広告や書籍のキャッチコピーやなどで応用されている認知不協和ですが、簡単に言えば、非常識な言葉の組わせにギャップを感じさせて、それを見た人が「え!?どういうこと!?」と気になってしまう心理を起こさせるテクニックです。

思い込みや固定観念、常識などを否定するキャッチコピーで興味を引く手段です。

企業広告キャッチの常套手段

こくがあるの。
なのに低脂肪!

電車の中で見かけた森永乳業のプレミルという低脂肪ミルクのキャッチコピーです。

低脂肪ミルクといえば、水のようにさっぱりとしているのが「常識」ですが、そこに「コク」というギャップ持ってきています。

低脂肪乳はコクがないと思っていた人は、「え!?」と一瞬混乱するわけです。

自分の中の常識が否定された瞬間です。

ミルク

そこで、そのコクの理由を読んでみると「たった120mlの少ない量でしっかりえ栄養が摂れる」と書かれています。

具体的なデータが明示されていなくて、「コク」の根拠が曖昧ですが。薬事法などの関係なのかもしれませんが、とりあえず、キャッチコピーとしては満点でしょう。

ネットショップへの応用方法

ネットショップで認知的不協和のテクニックが応用できるのは、アドワーズやYahoo!のリスティング広告はじめ、ネットショップのお店ページに貼るバナーなど。

ただし、森永プレミルの例のように、キャッチコピーで釣っておいたら、ちゃんと根拠を示す必要があります。

「低脂肪なのにコクがある」と言っておきながら、具体的なコクの理由がなければ、「騙された」という人が出てきても仕方がないわけです。

一貫性

「高級ホテルなのに1泊500円~」などと書いておいて、いざそのページに行ってみると「5000円のプランは抽選で。他の部屋は3万円~」

これでは、やってきたお客さんにガッカリ感を食らわすようなもので、お客さんは機嫌を損ねてよそに行ってしまいます。

キャッチコピー見た人にがっかり感を与えては行けない。

これが認知的不協和を使う場合にもれなくセットついてくる条件になりそうです。

キャッチコピーでも、例えば、写真が実物より良すぎる場合もお客さんは認知的不協和に陥るので商品写真から注文後の応対、梱包の状態、販売後のフォローまで、「当店で買ったのは正解でしたよ。」ということを、最後の最後まで演出しする必要があります。

楽しんでアイデアを出そう

キャッチコピーを考えるのはネットショップ運営の醍醐味のひとつでしょう。

キャッチコピーのアイデアを出して、いくつか候補を用意してバナーを作成したり特設ページを作る作業は、なかなか骨の折れる作業ですが、作戦どおり商品が売れると喜びもひとしおです。

この認知的不協和を使ったキャッチコピーは簡単な方式なのでいくらでもアイデアは出てくると思います。

アイデアを出そう

「認知不協和」=「○○なのに□□!」森永の例では、「コクがあるので低脂肪ではない」というのが常識的な考えです。

ですから、常識を否定するような組み合わせを考えます。もちろん、着地ページ(ランディングページ)には、納得できる内容を用意しておきましょう。

ところが、そうやって通っているにもかかわらず、お返しでお店に来てくれない人もいます。つまり、返報性の原理の例外です。「付き合いが面倒だ」と感じているような場合ですね。

通っている飲食店のオーナーは、業を煮やして「私はいつも来てあげてるのに、なんであなたは私の店に来ないの?」なんて言い出すわけです。

(例)認知不協和の例

  • ・ネットショップ開業1ヶ月で高級外車購入
  • ・あの有名校長先生がロリコンだった (いまどき普通か)
  • ・あの大型プロレスラーがリカちゃん人形コレクター
  • ・ビールなのに酔わない
  • ・ピザななのに太らない
  • ・人脈を作る人は仕事ができない人
  • ・留学経験もないのに英会話ネイティブ級
  • ・お酒の飲み過ぎが健康の秘訣
  • ・1日三食の生活を続けると早死する
  • ・ブサイクなのに超モテる

勘違いにご注意

認知不協和というのは「認知が不協和」を起こすという専門用語です。非常識な言葉の組み合わせのことではありません。ちょっとむずかしいのですが、例えば、こんな作り話。

「ネットショップ開業教という謎の団体がある。入団すれば、誰でも3ヶ月後に必ず儲かるようになると教祖は言う。教祖のオーラに圧倒され完全な信者となる。

もう、教祖の言うことが100%である。ところが、3ヶ月後儲かるどころか、残ったのはお布施のための300万円の借金だけ。」

このときに、「信じてききたこと」と「事実が異なること」との間に矛盾があることを認知不協和と言います。

人間は、このような状況に立たされたときに、自分の中でつじつまを合わそうと、新しい事実を受け入れたり(騙されたことに気づいたり)、「いくら何でも3ヶ月で儲かるわけないよね。せめて1年は続けないと。」なんてポジティブに解釈したりするわけです。

恋した人が実は異性ではなかった・・・そんな時も、認知に不協和が起きるのでしょう。

書籍キャッチコピーに見る認知的不協和4つの事例

出版社も本を売ろうと必死です。当然、あれこれテクニックを使って売り込んできます。書店に行けば、これぞ認知的不協和!というタイトルやキャッチコピーを見つけることができます。

書店で見つけた認知的不協和の事例をシェアします。ちなみに、私はどの本も買ってませんので中身は知りませんので、あらかじめご了承くださいまし。

『テストも偏差値も受験もない。それで勉強ができるってどういうこと!?」

2019年6月出版の新潮新書から。ド直球ですね。日本では偏差値も受験もあたりまえですが、それがないフィンランドの教育が世界一。もう、混乱しかないです。内容が気になって仕方ないですね。

同じく新潮新書から。2013年出版。これもヤバイですね~。「反省」ってすべきことで良いことってイメージがありますが、その常識が砕かれます。

「おれ毎日反省してるけど、これ、犯罪者への道なのか!?」なんて思っちゃいますよね。

2017年出版。「キャバ嬢が社長・・・」これは人によって捉え方が違うかもしれませんね。キャバ嬢はウマとシカって思っている人にとっては、「え!?」ってなると思います。

でも、「30万円もあればアホでも社長になれるし、そこそこ資金があるなら、それなりのビジネスできるよね~。こーいうのって、間違いなく絶対参謀(裏方)がいるよね~。」なんて冷めた味方をする人もいるかも知れませんね。

2020年1月きずな出版から。

体力勝負の営業マンにしてみると「台本て・・・」と不協和を起こしてしまいそうです。

気になりますよね。台本書いて役者のように営業をする。なんか新しいですね。興味津津です。でも、買いませんが!