個人事業主のてぬき帳簿術(ズボラ専用簿記講座)

個人事業主の手抜き帳簿術

個人事業主歴うん十年!?

大学では簿記の授業がありましたが、一切頭がうけつけないほど大の簿記嫌いでした。

まわりはみんな検定に受かっていたけど、ひとり参考書をめくっては2ページ目で睡魔。

今は、ちょっと克服はできたけど資格なし。

簿記経理は徹底して手抜きでやってきております。

個人事業主は手抜きで上等です。

クソマジメに、マメに帳簿なんてつけていたら本業がおろそかになるし遊ぶ時間もない。

というわけで、手抜き帳簿術的な、なんちゃって簿記講座てきなお話。

オンライン会計ソフト絶対

以前は弥生会計を使っていました。

しかし、「それ」は毎年アップグレードとかで金はかかるし、アップグレードしないと、その年の決算書を出せなかったり、いやらしい作りだったので決別しました。

今は、当たり前のようにクラウド会計ソフトのフリー(freee)を使っています。

銀行口座やクレジットカードが連動しているので、帳簿付けの手間がほぼゼロ(フリー)。

freeeは個人事業主で、月額980。

ズボラさんが楽するためには、これくらいの費用は出さなきゃね。(^_-)

業種によっては写メ取り込み

請求書の発行があったり、現金の受け渡しがの慣習が残っているような業種なら、写メからデータ化できるオプションをつけておくと便利です。

手入力の手間が省けますから。

何年か前に使ってみましたが、ポンコツで全然読み込まなかったことがあったのですが、今は、改善されていると思います。

簿記なんて小遣い帳に毛が1本生えただけ

さて、個人事業を始めたなら、「簿記の勉強をしなきゃいけないんじゃないの?」なんてトンチンカンなことを言う人もいます。

いりません。

税理士や会計士を目指す人は簿記の知識が必要ですが、個人事業主はビジネスの知識を身につけるほうが先ですよね。

いくら簿記の勉強をしても1円の売上も作れません。

複式簿記は、誰もが子供の頃につけていたかもしれない小遣い帳に毛が1本生えただけのものです。

毛が一本
毛が1ポン!

小遣い帳は「入ってくるお金」と「出ていくお金」の2種類だけです。

足し算と引き算。

これに対して、複式簿記では「とどまっているお金」という存在があります。

1 入る金
2 出る金
3 とどまる金

そして、現金以外の商品はもちろん材料も「金換算」して記録するだけです。

現金はもちろん、すべてのモノやコトの出入りを「金に換算して」記録するのが複式簿記です。

これを理解したらあとは、その業界で使う仕訳の用語を覚えておけば良いだけです。

ちょーかんたん!

ECサイト運営のテヌキ帳簿術例

個人事業主以外、法人などもいくつかやっていますが、その中のECサイト運営法人の場合。

ECサイトとは、インターネットショッピング・サイトのことです。

簿記については、個人でも法人でもやることは同じですが、法人の場合はより厳格さが求められるので、税理士は必須です。

ここでは、専門用語を少し使いながら、簿記をイメージ的に捉えられるよう、いくつかの経理の内容を紹介します。

10万円の商品が売れた!

10万円の先祖供養に効果があるとうたう壺が売れました。

先祖をヌルっと供養

パソコン画面には「注文番号XXX0001 売上10万」と出ています。

早速、梱包してお客様に発送しました。

モノが動きましたよね。

この時点で、 お金は入って来ていませんが、 金に換算して「10万円の価値があるモノが出ていった」として記録します。

出ていったモノ その内訳
売掛金 10万売上高 10万

借方貸方とか、よくわからないんで、左側は出ていったモノやコトを金に換算。右側はその内訳という感じです。

freeeでは、このような付け方はしないんですが、知っておくと便利です。

キャバクラで接待10万円!

全然面白いとは思わないキャバクラ。

でも、好きな人は好き。

ちょっと利益が出たので取引先の若者を連れてキャバクラ遊び。

遊びと言っても、帳簿上、経理上、立派なビジネス活動です。

キャバクラ
合法的ビジネス活動

出ていった(支払った)のは現金10万円です。

出ていったモノ その内訳
現金 10万円接待交際費 10万円

右側と左側は、解釈が違うだけで内容は同じなので、金額は100%一致しています。

クレジットカードでマンガを買った

今どきの若者の関心を探るべく高尚な研究のため、人気のマンガを買った。

マンガ
うぇーい

これも立派なビジネス活動。

出ていった その内訳
未払金 500円新聞図書費 500円

簿記の中に「クレジットカード」という科目はないので、「支払いは後日でっせ」という「未払金」でつけます。

後日銀行引き落としになるわけですが、その時は次のようになります。

出ていった その内訳
ペペペイ銀行 500円未払金 500円

マンガを買ったその1回の行為について、クレジットカードの場合は、お金の動きが2回あるので2行に分けてかきます。

これが「複式」簿記たるゆえん!?

高級ソファー50万円を買った

ニトリだろうが大塚家具だろうが、オフィスにソファーが必要なら、それも立派な経費。

が、問題はその価格。

ソファー
家具は30万円未満で

1発30万円以上のモノになると、それは、1行で終わらせては行けないという、厳格なルールがあります。

なぜか。

税金を取りやすくするため。

もし、高額品一発一行処理を許してしまうと、「1000万円利益が出そうだ!」というときに、1000万円の車を買えば利益0円で、税金も0円になります。

それは、税務署も「許さん!」ということで、30万円を基準に、それ以上の場合は、「毎年分割して経費にしてね。」というやり方を国民に強要しているわけです。

「原価償却」というやり方をしないといけないので、その説明は、面倒なのでカットします。

というか、そういうのが面倒くさいので減価償却が必要なモノは極力買わないのがズボラさん向けのテヌキ帳簿のコツでもあります。

開運掛け軸500万円仕入れた

掛け軸
1本100万円

開運効果のある掛け軸を5本、合計100万円で仕入れた。

1本200万円で販売予定。

全部売ったら500万円の利益だ。

出ていった その内訳
ペペペイ銀行 500万円 仕入高 500万円

仕入れについては、簿記上かなりわかりにくい考えだと思います。

現金が出ていったので、あるいは、クレジットカードで払ったので「経費」と思ってしまいがちですが、経費ではないんですね。

500万円分の商品は手元にあるわけですから、現金と両替しただけの等価交換です。

だから、経費は一切動きません。

でも「1本売れた。」というときに初めて、経費的な動きをします。

出ていった その内訳
売掛金(掛け軸) 200万円売上高 200万円

1本売れた段階で、200万円入ってきて1本の仕入れ価格(原価)100万円が経費的に消えるという考えです。

ちょっとこのへんはややこしいので、繰り返し見ないと理解できないかもしれません。

賃貸マンション(借家)の家賃10万

自分が居住する賃貸マンションや借家で開業し事業を行っている場合、家賃を部分的に経費とすることができます。

まるまる経費にするのはNGです。

これはを案分(あんぶん)(「按分」とも書く)と言います。

水道代、電気代、ガス代、駐車場代も案分することができます。

この仕訳はちょっと見慣れない科目がでてきます。

出ていった その内訳摘要
地代家賃 3万円 事業主借 3万円
地代家賃 1万円事業主借 1万円駐車場
水道光熱費 2,000円事業主借 2,000円 水道光熱費

家賃や駐車場代などは、確定申告のときのみ「どこへ家賃をいくら払ったか?」を記入する欄があるので、正しい情報を入力します。

棚卸しは超テヌキ

物販業で、一番テヌキしているのが棚卸しです。

棚卸しとは、「今在庫どれだけある?」ということを金額換算します

掛け軸は1本売れたので4本残っっています。

つまり100万円×4=400万円。

実際のビジネス活動では、数千点、数万点の商品を扱うのでもっと複雑になります。

が、

が、

そんな数千点や数万点を数えていては日が暮れます。

だから、年度の1日目と一番最後の日の在庫だけを計算します。

具体的には、「期首在庫」「期末在庫」だけ。

期首在庫:500万円
期末在庫:400万円
——————————
売上原価:100万円

こんな感じです。

売上から売上原価を引いたものが利益というのが、簿記の考えです。

売れた商品の仕入れ分しか認めません!ということです。

個人事業主に税理士はいらない

税理士の先生方には申し訳ないですし、これから税理士を目指す人にも悲報ですが、売上1000万未満なら税理士はいらないです。

普段、フリー(freee)で帳簿付けをしていたら、3月の確定申告は自分できます。

まあ、普段といっても、大抵のひとは確定申告の時期の少し前からバタバタしますけどね。

確定申告、今はスマホから全部完結できます。

ようやくこの時代が来たって感じです。

売上1000万を超えて2年後からは消費税がかかってくるので、結構計算が面倒になります。

決算のときだけに税理士をスポット的に利用するといいですね。

税理士さんも大変な時代になってきました。

たしか、今後10年でなくなる職業のランキングに入っていたんじゃないでしょうかね。

10年ではなくならないとは思いますし、ずっとある職業だとは思いますが、パイの奪い合いになるでしょうね。

実店舗はタブレット会計絶対

コロ中渦にも関わらず、実店舗のオープンする人って以外に多くてびっくりします。

唐揚げ屋とかパーソナルジムとか整骨院とか、ネイルサロンやマツエクサロンなどなど。

「唐揚げ屋の開店準備をしている。」という人と少しだけ話しましたが、けっこうのなオッサンでした。

「レジを何にするか。」などそんな話はしてないですが、ちょっとアナログっぽい人だったので、文字通りアナログのレジなんかにすると大変。

アナログレジは骨董品
最近見たことない。

今は、見たことある人も多いと思いますが。iPad(その他のタブレット)と決済端末を使ったタブレット型のレジが主流になっています。

リクルート系のエアレジや三井住友系のsquare(スクエアー)が多いですね。

どちらも使っていますが、どちらも使い勝手はさすがです。

手数料も安いですし、何より、freeeと連携できるので売上げをいちいち入力する必要があります。

もちろん、ネイルサロンやマツエクサロンなどでガッツリ儲けたい人は、現金決済の比率を高めておきましょう。

「現金」の意味、わかりますよね~ ( ̄ー ̄)ニヤリッ.

cat47

ABOUTこの記事をかいた人

ゆるい起業家。ECや飲食、コンサル、投資*などをいろいろやってます。座右の銘は「のらりくらり」。*マルチやネットワークではない。まっとうな投資。