仕入れでおさえるべき3つのポイント

例えば、日本国内の現金問屋に足を運んだ場合、どのような知識を持っていれば普通に話ができるか、ということになると思います。海外仕入れやオンライン仕入れの場合は、あまり関係ないかも知れません。
でも、海外仕入れにせよ、ネット仕入れにせよ、基本的には同じことなので、基礎を学ぶつもりで読んで頂ければ幸いです。
卸値・単位・支払方法
仕入れでおさえるべきポイントは3つほどです。
- 1. 掛率(卸値)はいくらか?
- 2. 単位(ロット)はいくらか?
- 3. 支払い方法は何?
掛率【かけりつ】とは、定価に対する卸値の割合のこと。小売価格1000円に対して6掛けというと600円、5掛けなら500円です。掛率が一律の場合もありますが、問屋の場合、さまざまなメーカー品を扱っていることもあり、メーカーによって掛率が異なる場合があります。A社の商品は6掛けだけとB社は7掛けというように。
単位(ロット等)とは、例えば、「1ケース」「1ダース」「1パレット」「1カートン」など、卸す側が決めている販売単位(発注単位)のことです。えんぴつ1本から売ってくれればありがたいですが、メーカーや問屋は、まとまった単位で販売する業態です。
支払い方法は、文字通り、現金、つまり、その場でニコニコ現金で支払う方法から、掛け売り(1ヶ月分まとめて後払い)やカード決済まで、小売販売と同じようにいろいろな支払方法があります。また、保証金のように仕入れ代金を前もって預けておく(デポジット)ような取引方法もあります。
いずれにせよ、仕入れの際は、「掛率(卸値)」「単位(ロット)」「支払方法」これらの3つのポイントを聞き出すのが基本と言えると思います。
仕入れに交渉なんていらない
仕入れ経験がない人は、「仕入って交渉があるんじゃないの?なんか難しそぉ~。」なんて心配するかもしれません。でも、心配ご無用です。上記の仕入れ3つのポイントを聞き出したうえで、「仕入れさせてくれますか?」と聞いて、答えが「イエス」なら仕入れができます。基本的に、交渉なんていらないです。このご時世、買ってくれるだけで御の字のメーカーや問屋も多いですから、基本的に買う人歓迎です。支払いは、もちろん、ニコニコ現金払いが喜ばれます。
ただし、「交渉しなければいけないケース」はなくても、「交渉したほうが良いケース」というのがあります。例えば、通常の最低発注単位(ロット数)が10個より多く発注する場合。つまり、セールなどで一気に数を仕入れるような場合です。しかも、その数量が、同じようにメーカーと取引をしている他店より多く、かつ、それがメーカーにとっておいしい場合です。
つまり、黙っていれば、そのままの掛率で買わされるけど、交渉すれば安くなる可能性もあります。「おいしい話でしょう?だから、今回だけちょっと掛率下がらないかな?」と言った交渉は可能です。だたし、そのような交渉が可能な企業かどうかは、あらかじめ知っておく必要があります。大手メーカーともなると、営業担当にそのような権限がなかったり、どれだけ買おうが一切割引をしない方針のメーカーもあります。
個人事業主には売ってくれない?
「個人(事業主)だけど、仕入れさせてくれるのかな?」と不安に思う方もいると思います。確かに、法人取引が前提のメーカーや問屋もありますから、そういったところでは門前払いを食らうかも知れません。
でも、日本の企業は、従業員が30人未満の零細企業や個人事業主が半数以上を占めます。ですから、商取引の多くはそういった零細企業や個人事業主によって行われています。
ですから、メーカーや問屋、代理店などの取引先の多くは個人事業主ですから、「個人だから売ってくれない。」ということは少ないでしょう。まずはコンタクトをとることです。聞く前に、勝手にあきらめないことです。