売上を上げる6つの方法や具体策、2つのフレームワーク

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ビジネスをやっていると「売上を上げる」や「お客さんを集める」などは常にメインテーマ。

そこで「売上を簡単に上げる方法はないか?」と誰もがさぐります。

しかし、売上を上げる方法(セオリー)はいろいろありますが、「誰がやっても一撃でボカンと売り上げが上る。」なんて方法はなかなかない。

そうではなく「いろいろやるうちに上がってきた。(あれが良かったのかな?これが良かったのかな?)」となることが多いですね。

とにかくアクションしないことには現状維持か減少モードにしかならないです。

※一部引用転載は、佐藤義典氏主宰のマーケティング・パラダイス(https://www.mpara.com/)より。

当サイト推奨のコンサルタント「佐藤義典」氏が提唱する「売上5原則」に、もうひとつ加えて、初心者にも分かりやすく解説してみました。

佐藤氏の人気著書 ドリルを売るには穴を売れも合わせて読んでおくことを強くおすすめします。

売上を上げる6つの定番方法

売上を上げるためには以下の6つの方法があります。

1.新規のお客様を増やす(新規顧客の獲得/佐藤氏)
2.リピーターを逃さない(顧客の流出防止/佐藤氏)
3.買ってもらう回数を増やす(購買頻度向上/佐藤氏)
4.ショッピング1回あたりの商品数を増やす(買上点数の増加/佐藤氏)
5.商品の価格を上げる(商品の値上げ/佐藤氏)
6.転換率(購入率)を上げる(入店数に対する購入者の割合を増やす。)

このように「何かを考えるときに補助となる知識」のことをフレームワークと言います。

このフレームワークをもとに自社に最適な具体的な売上アップ対策を考え実践ていきます。

お店や会社の置かれている状況や環境を分析して、手当り次第に何かをするのではなく、

「有効な対策は何なのか」
「どの方法を優先すべきか」
「どの対策に力を入れるべきなのか」

といった資本(リソース)やエネルギーも適切に配分します。

また、何らかの施策を行った際、その効果測定をすることも忘れてはいけないことです。

新規のお客様を増やす

新規のお客さんを増やすことはできないか?
方法は何がある?

この質問からスタートして実行可能なアイデアを探り実行していきます。

ネット通販の新規アクセスを増やす方法の例では、検索エンジン対策(SEO)や広告、ブログ、FACEBOOKやインスタなどのSNSを使った集客方法など、すでに多くの方法が知られています。

実店舗ビジネスなら、ファサードの改善に始まりチラシ配りやポスティング。

参考:100%成功するチラシ配りのコツ

飲食店ならUber Eatsを始めとしたデリバリーサービスの利用などがあります。(→オフライン・マーケティング

「看板を作り変えよう」と思いついても費用も時間もかかるので費用対効果を考え判断します。

「看板が悪い。」などと、多くの声があり実際に悪い場合は、思い切って変えてしまうのも効果的です。

新規客獲得の具体策

  • SEO
  • ブログ
  • SNS
  • youtube
  • チラシ配り
  • ポスティング
  • デリバリー(新規事業)
  • ファサードの改善
  • セミナー
  • 新聞折込チラシ
  • リスティング広告
  • LINE広告
  • SNS広告
  • ライセンスビジネス

リピーターを逃さない

リピートしてくれるお客さんのことを「顧客(こきゃく)」と言います。

自分のお店一筋のファンばかりなら苦労しないのですがお客様の選択肢は常に複数あります。

だから、何も対策を打たなければ、よその店に流れることはもちろん最悪完全に取られることもあります。

だから、そういった流出(浮気)を防ぐ対策を打つことで、売り上げを上げるというよりは売り上げを下げるのを防止するわけです。

リピート商品を取り扱うお店には必須の売上向上対策と言えます。

もっともポピュラーなやり方としては、メールマガジン(メルマガ)の発行やニュースレターなどがあります。

SNSでコンスタントに情報を発信するのも、顧客に忘れられないようにするための施策のひとつといえます。

飲食店やアパレルショップなどの実店舗では、古いやり方だとポイントカードや回数券など。

ただ、ポイントカードなどは、どこもかしこもやっているので「効果的か?」と言われると微妙です。

リピーター対策例

  • メールマガジン
  • ニュースレター
  • LINE@
  • SNS
  • ポイントカード
  • 回数券
  • シリーズもの商品を開発
  • 次回使える割引クーポン
  • サンキューレター
  • フォローメール

買ってもらう回数を増やす

今まで月に1回ペースで売れるようなリピート商品を、月に2回以上売れるようにすることで売上を上げることができます。

月に1回来店するお客さんがいるなら月に2回来てもらえるよう工夫します。

じゃ、「2回売れるようにするには?」とか「2回来てもらえるようにするには?」という質問のもとアイデアを出していきます。

ネット通販なら、新しい商品を投入したり(商品数を増やす)、販促を促すメルマガを出すなどは定番のやり方です。

実店舗も同様で、フェイスブックやインスタ、LINE@の更新頻度を上げたり、お客さんのメールアドレスを入手しておいてメルマガを出すなど。

購入回数を増やす具体策

  • 情報発信頻度を増やす
  • 毎月(毎週)イベントを開催する
  • サブスクリプションの商品
  • メルマガ
  • SNS

ショッピング1回あたりの商品数を増やす

「ハンバーガーと一緒にポテトもいかがですか?」と、ご注文品以外に「ついで買い」をすすめて、1回あたりのお買い上げ金額を増やす方法です。

この方法は、英語では「クロスセル(cross sell)」と呼ばれる販売テクニックのひとつです。

ネットショップの場合、商品ページの下のほうに「関連商品」や「よく一緒に購入されている商品」、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」などといったやり方です。

また、カートの中にもついで買いの仕組むを入れたりします。

単価アップは、後に述べるフレームワーク「アンゾフのマトリックス」を使うと具体策やアイデアを考えやすいですね。

ついで買いを誘う具体策

  • 関連商品を近くに配置
  • 「ポテトもいかが」の声掛け
  • セット商品を作る
  • WEB接客
  • チャットシステム

商品の価格を上げる

今まで1万円で販売していた商品を12,000円に値上げすることで売上は自動的にあがります。

ただし、何の理由もなく値上げしたのでは逆に売上が落ちてしまいかねないので、お客様が納得して購入したくなるようなオファーや理由が必要になります。

オファーとは特典と言ったりします。

オマケをつけたり魅力的なサービスを付加するなどする方法があります。

また、中身の量を減らすことで、実質値上げをするのは大手企業の常套手段です。

いつの間にか中身が減っているって商品ありますよね。

「シュリンクフレーション」と言います。

値上げをする具体策

  • 理由をつけて値上げ
  • サービスを付けて値上げ
  • 特典をつけて値上げ
  • シュリンクフレーションで実質値上げ

転換率を上げる

ネット通販では定番の考え方の転換率(CVR)を上げる方法。

同じ商品でも、商品ページの構成やキャッチコピー、説明文、カゴ落ち防止策などを改善することで転換率を高め購入率を高め売上を上げる方法。

例えば、レストランの場合は来店し席に着席したお客さんの購入率は100%です。

「『料理が来るのが遅い!』と怒って帰ったバカな客さんがいた。」といった例外は除きます。

でも、ネット通販はもちろん、実店舗の雑貨店やアパレルショップは、来店したお客様が必ずしも買うとは限りません。

「見てるだけ~」の冷やかし客も多い業種です。

そこで、アパレルショップなどでは、「今月は100人の来店だったけど20人が購入した。

「来月は30人に上げたい。どうする?」

「声掛けの回数を増やすか店舗店員を増やすか。」などと検討し、実際やってみて数字を出し解析し改善をする、という流れです。

実際外資系のアパレルショップでは、入り口にセンサーを設置し来店者数と購入者すうの割合を測定しています。

ネット通販の場合も、カゴ落ち(ショッピングカートからの離脱)をいかに押さえるか、カート変遷をいかにスムーズにするか、アクションボタン(購入ボタン)をいかに押してもらうか、といったことを考えながらページ作りやカートの改善などを行います。

利益率を上げることもお忘れなく

「売上を上げたい」の本音は、お店や会社に残るお金の額を増やしたいということです。

売上を上げれば、もちろん入ってくるお金も増えるので、残るお金も増えるワケです。

でも、残るお金を増やす方法は「売り上げを上げる」だけでなく「コストを下げる」「利益率を上げる」という方法も重要なのは言うまでもありません。

売上を上げる対策も行いながら、「仕入れの掛け率を下げることはできないか?」という質問からスタートし、「今月はいつもより多く仕入れてコストを下げよう。」とか「この企業とは取引が長いので、もしかすると交渉次第で掛け率を下げてくれるかも?」など仮説を立てて実行していきます。

細かいところでは、いつも代引きで仕入れてるけど「掛け」にすると代引き手数料がかなり節約できる。

月4回の仕入れで手数料330x4=1,320円。

これを「掛け(末締め翌末払い)」にして月1回の振り込みにすれば250円で済む。

1000円の節約!

現場では、このような涙ぐましい努力をしているお店や会社もたくさんあります。

デキル人がこっそり使うフレームワーク

穴を掘るにはスコップという「道具」を使ったほうが楽。

木を切るにも電気のこぎりという「道具」を使ったほうが早く確実。

同じく、何かを考えるときに使って便利な道具がフレームワーク。

道具を使わず考えるのは手で穴を掘るようなもの。

フレームワークという便利なツールを使いましょう。

アンゾフのマトリックス

売り上げを上げるための具体策を考えるためのフレームワークその1は「アンゾフのマトリックス」。

市場と商品の関係を4つのエリアに分けて考えます。

下記は実店舗イタリアンレストランの例です。

図を見るだけで、いろいろな商品が思い浮かびませんか?

これまで店舗だけでやっていたイタリアンレストランがUber Eatsという宅配サービスを使い未開拓市場に参入。

また、有名イタリアン・レストランの名をウリにしたパスタ用レトルト商品もよく見かけますよね。

世の中、多くの企業では、アンゾフのマトリックスを知ってか知らずか、ビジネスを横や縦に展開していることに気づくと思います。

ネット販売も触れておきましょう。

「客単価を上げたい。」と思ったときの具体策としては、今までA(1000円)、B(2,000円)、C(3000円)と単品で販売していたところ、新商品D(5,000円)を投入する方法やB+C(5,000円)というセットにして新商品を開発する方法があります。

特に、関連するセット商品はオススメです。

「革靴と革靴メンテナンスセット」「初心者用ギターとアンプやコード類」「キャンプ用品セット」などなど、いたるところで見かけますよね。

消費者は、ポチポチ(クリック)の回数さえ面倒くさいと思っているので、セット商品にするだけで単価アップを狙えるし、消費者には「買いやすい」というメリットもあります。

自分のことはわからない!

長年やっている自分の会社、あるいはお店。

どこを改善すればよいのか、まったくわからなくなることがあります。

そんなときはお客さんや他人の意見を聞くことです。

思いも寄らない意見が貰えることがあります。

また、いろいろなジャンルの商品やサービスを利用して、「そのお店が売上を増やす方法はないか?」なんて考えるのは良い訓練になります。

先日、ショップサーブに出店しているお惣菜を販売するネットショップを利用しました。

同店のテーマは「管理栄養士が糖質制限の必要な人のために考えた料理」というものです。

糖質制限が特別必要というわけではないですが、カロリーは気にしています。

どのメニューも300kcal以下で美味しそうだったので取ってみたのです。

すると、なんと酒のアテにちょうど良かった。

でも、同店は「カロリーを気にするお酒好きの方へ」といった売り方はしていません。

もしかすると、需要があるかもしれません。

このようにアンゾフのマトリックスを上下左右に動かすことで、あらたなマーケットを簡単に発見することもできます。

ただ、自分の会社やお店については、なぜか、なかなか見つからないものです。

そこは考えた者勝ちです。

オズボーンのチェックリスト9

個人的には大好きで、いつも頭の中にあるオズボーンのチェックリスト

単に、売り上げアップの方法を考える以外、オリジナル商品を作ったり差別化をしたり、そんなことにも使えます。

転用(put to other use)

「他の用途はないか?」という視点で考えます。新商品のアイデアを練るときなどに重宝します。

例としては、もともとフリークライミングのツールだったチョークバッグがファッションバッグになったり、大工さんの工具入れがペンケースになったり。カセットコロンロのカセットガスを使ったポータブルストーブなど。

応用(adapt)

「他からアイデアを借りれないか?」と考えてみます。売り上げアップの具体策を考えるときにはぴったりの方法です。

例としては、酒場でおなじみのボトルキープ

自動車ディーラーでは、自動車用オイルのボトルキープと言ったサービスをしていることがあります。

一度に数回分のオイルを買うので、それを使い果たすまでは、お客さんを逃さないようにすることができます。

マックが発祥かどうかはわかりませんが「ポテトもいかがですか?」というついで買いのアイデアは、ビジネス現場至る所で見ることができます。

タピオカブームでナタデココブームを思い出した人も多いと思いますが、過去の流行ややり方などを応用するのもアリですね。

変更(modify)

ECサイトを運営しているなら、毎日のようにやっていることですね。キャチコピーを変えてみたり写真を変えてみたり。

そして、商品名を変えたり。

もともとは「みだぐなす(山形弁で「見た目が悪い」的な意味)」と呼ばれていた洋梨。

「ラフランス」名前を変えることで一気に売れたシンデレラストーリーが有名です。

当店でも、メーカーのつけた明らかに売れなさそうな、イケてない商品を変更するのは日常的に行なっています。
(※人気記事:商品名を勝手に変えて売上アップ!

拡大(magnify)

「大きくしてみてはどうだ?」という視点で考えます。これも事例は、世の中で多数見かけることができます。

ポテチやポッキーの巨大パッケージやレゴの大型セットなど。

増量や夜行バスの座席のスペースを大きくするのも、この拡大アイデアに相当します。

大型化やロングバージョン、厚さ増し、増量(プラス)など、単価アップにつながるアイデアが見つかりそうですね。

縮小(minify)

拡大があれば縮小もあります。量を減らしたり、細分化や軽量化したり、削減(マイナス)したりショートバージョンを作ったり。

ミニチュアやフィギュアも実物の縮小版です。

ラーメンや焼肉のお一人様席。ミニマリストという生き方やタイニーハウス(スモールハウス)。

商品について縮小を考える以外、お客さんにとっての「削減」に視点を移すと、ユニクロなどのリサイクルなども見えてきます。

着なくなった服を回収するサービスや下取りサービスでさらなる来店を促すことができます。

代用(substitute)

「他のもので代用できないか?」という視点。

低糖質ブームで小麦麺の代わりにこんにゃく(まずいけど)。

お肉の代わりに豆腐でハンバーグ。

おからクッキーなど。

日常的に代用のアイデア例をたくさん見つけられます。

低糖質ブームで小麦麺の代わりにこんにゃく(まずいけど)、カレーの白米の代わりに豆腐。

お肉の代わりに豆腐でハンバーグ。

フェイクグリーン(人工観葉植物)など。

日常的に「代用」の事例をたくさん見つけられます。

置換(rearrange)

「入れ替えてみては?」という視点。

ABCをACBのように要素を入れ替えたり、123の順番を231と入れ替えたり。

バラバラにしてみるのもアリですね。

例としては、カップに入っているのが当たり前のはずのプリンをマヨネーズ型の容器に入れ替えたり、隣の奥さんと我が家の奥さんを入れ替えたり(こええは違うか)。

逆転(reverce)

「逆転の発想」とはよく言います。

前後左右上下を逆にしてみる。

反対にする。

非常識なことをやってみる、など。

「逆転の発想」の事例はたくさんありますね。

文字通り裏表が逆になったような洋服のデザインやメンズ用のスカートなど。

これまで常識だったことを打ち破って成功した事例もたくさんあります。

俺のフレンチにいきなり!ステーキなど。

売り上げを上げるためには常識にとらわれず、ありとあらゆる角度から具体策を考えてみたいですね。

結合(conbine)

組み合わせるたり混ぜてみたり。

アイドルとメタルを組み合わせたベイビーメタルは、世界的にも人気になったのでご存知の方も多いでしょう。(ま、一発屋ですけど)

アイドルとメタルや激しめのロックの組み合わせの発想は、何十年も前からありましたが、これだけウケたのは今の時代だからこそ、でしょう。

それを考えると、色々なアイデアを考ええる上では、それが今の時代や消費者に受け入れられるかどうかも考える必要がありそうです。

この結合アイデアは、全然関係のないものを組み合わせみる一人ブレスト(ブレインストーミング)などをやると楽しいですし、まだ世に生まれていないヒット商品のアイデアも浮かびやすくなります。

セオリー無関係で売上があがるとき

以上6つの売上アップ対策やフレームワークを紹介してみました。

一度では頭に入らないので売上ップの方法やフレームワークが記憶に定着するまで読むことをおすすめします。

また、ただフレームワークがあっても知識のインプットがないと、なかなかアイデアの発火はありません。

フレームワーク+知識や経験のインプットが売上アップはもちろん、様々なアイデアの着想の基本となります。

なお、昨今のコロナ騒ぎという世の中のトレンドの変化だけで売上が急増した業種、逆に減少した業種がありました。

ある意味不可抗力ですが、このように世の中のトレンドが変わるだけで、なにもしていないのに売上が増えたり逆に激減したりといったことは、たまにありますね。

そればかりは「運」としか言いようがないです。

売上のためのテクニックやフレームワークも重要ですが、普段から運気を上げるような行動はとっておきたいものです。

運気が停滞しているときは何をやってもうまくいかないし、運気が上昇中のときは追い風におされるように、なんでもホイホイうまくいきます。