仕入れでおさえるべき3つのポイント

仕入れ講座1時間目

日本国内にある現金問屋に足を運んだ場合、あるいは、ネットで仕入先を見つけた場合、「どのような知識を持っていれば普通に話ができるか?」ということについて。

海外仕入れやオンライン仕入れの場合は、あまり関係ないかも知れません。

でも、海外仕入れにせよネット仕入れにせよ、基本的には同じことなので、基礎を学ぶつもりで読んで頂ければ幸いです。

バイヤー歴20年以上が独断と偏見で贈る仕入れ講座。

仕入れでおさえるべきポイントは3つほどです。

  • 掛率【かけりつ】(卸値)はいくらか?
  • 単位(ロット)はいくらか?
  • 支払い方法は何?

掛け率【かけりつ】

掛率【かけりつ】とは、定価や実売価格に対する卸値の割合のこと。

小売価格1000円に対して6掛けというと600円、5掛けなら500円です。

掛率が一律の場合もありますが、問屋の場合、さまざまなメーカー品を扱っていることもあり、メーカーによって掛率が異なる場合があります。

A社の商品は6掛(ろくがけ)けだけとB社は7掛(なながけ)けと言うように。

中途半端に65%とか73%といったときは、担当者によっては65(ろくじゅうごがけ)とか言われることもありました。

正確には65パーセントですね。

単位(ロット)

単位(ロット等)とは、例えば、「1ケース」「1ダース」「1パレット」「1カートン」など、卸す側が決めている販売単位(発注単位)のことです。

えんぴつ1本から売ってくれれば、ありがたいですが1ダースから。

メーカーや問屋は、まとまった単位で販売する業態です。

私自身は輸入もやっているので、もっと単位は多く1000ケースとか2000ケースとか、コンテナの半分とか、1回の単位もでかくなります。

支払い方法

支払い方法は、文字通り、現金、つまり、その場でニコニコ現金で支払う方法から、掛け売り(1ヶ月分まとめて後払い)やカード決済まで、小売販売と同じようにいろいろな支払方法があります。

また、保証金のように仕入れ代金を前もって預けておく(デポジット)ような取引方法もあります。

いずれにせよ、仕入れの際は、「掛率【かけりつ】(卸値)」「単位(ロット)」「支払方法」これらの3つのポイントを聞き出すのが基本です。

仕入れ経験がない人は、「仕入って交渉があるんじゃないの?なんか難しそぉ~。」なんて心配するかもしれません。

でも、心配ご無用です。上記の仕入れ3つのポイントを聞き出したうえで、「仕入れできますか?(取引できますか?)」と聞いて、答えが「イエス」なら仕入れができます。

交渉なんていらないです。モノが売れないこのご時世買ってくれるだけで御の字のメーカーや問屋だらけです。

買ってくれる人大歓迎ウェルカムです。支払いは、もちろん、ニコニコ現金払いが喜ばれます。

ただし、「交渉しなければいけないケース」はなくても、「交渉したほうが良いケース」というのがあります。(初めての仕入れでは、あまり必要ない)

例えば、通常の最低発注単位(ロット数)が10個より多く発注する場合。つまり、セールなどで一気に数を仕入れるような場合です。

しかも、その数量が同じようにメーカーと取引をしている他店より多く、かつ、それがメーカーにとっておいしい場合です。

つまり、黙っていれば、そのままの掛率で買わされるけど、交渉すれば安くなる可能性もあります。。

「おいしい話でしょう?だから、今回だけちょっと掛率下がらないかな?」と言った交渉は可能です。だたし、そのような交渉が可能な企業かどうかは、あらかじめ知っておく必要があります。

大手メーカーともなると、営業担当にそのような権限がなかったり、どれだけ買おうが一切割引をしない方針のメーカーもあります

個人事業主には売ってくれない?

「個人(事業主)だけど、仕入れさせてくれるのかな?」と不安に思う方もいると思います。

確かに、法人取引が前提のメーカーや問屋もありますから、そういったところでは門前払いを食らうかも知れません。

でも、日本の企業は、従業員が30人未満の零細企業や個人事業主が半数以上を占めます。ですから、商取引の多くはそういった零細企業や個人事業主によって行われています。

ですから、メーカーや問屋、代理店などの取引先の多くは個人事業主ですから、「個人だから売ってくれない。」ということは少ないでしょう。

まずはコンタクトをとることです。

聞く前に勝手な思い込みであきらめないこと!