ECショップに就職してノウハウとコネを作るには?

就職してコネを作る

「いきなり起業するのも不安なので、一度ECショップを運営する会社に就職してノウハウやコネを作るのはどうだろうか?」といった疑問。

実際に、同じ内容のお問い合わせを頂いたことがあります。

就職を将来の独立のためと位置づける人はEC関連にとどまらず、あらゆる業界で見られます。

ECショップの場合はどうでしょうか。 (ECショップ=ネットショップです。)

ノウハウは全部ネットにありますが?

まず、ノウハウですが、高度なシステム開発やプログラミングなどのジャンルを除けば、ネットショップ運営ノウハウについては、ほぼネットに出尽くしています。

プラスして関連書籍なども読めば、他人に教えてもらうことは、ほとんどないです。

以下の書籍は、私がIT業界で尊敬する社長の著書です。


出典:amazon.co.jp

何十億、何百億って売っているECサイトも、特別なテクニックを使っているわけではありません。

あたりまえの事を、貪欲にコツコツやっているだけです。

もちろん、それぞれのECショップに独自の非公開ノウハウは多少はあります。

でも、それを知ったところで、ボカンと儲かるビジネスを作れるかと言うとそうじゃない。

ECサイトの開業や運営に必要なノウハウは、ほぼネットや書籍から得られるわけですから、「わざわざEC会社に就職しなくても良いのではないか?」と個人的には思います。

自分で簡単に職業訓練できる珍しい業種だと言えます。

ただ、「実務経験を積む」という点では賛成しますが、就職する会社の規模によっては、必ずしも、自分が希望した部署や職種をやらしてもらえるとは限らないです。

以前知人の女性が、ウェブクリエーターとしてネット販売の会社に就職しました。

しばらくは、ウェブの担当をやっていたのですが、別の事務員がやめたため、問い合わせの応対やちょっとした買い物などもやらされるようになったそうです。

これは、小さな通販会社なら「あるある」です。

大手のEC会社だと、専門部署の人はそれを専任でやりますが、小さな通販会社だと一人で多数の業務をこなします。

当社も例外ではなく、1人のスタッフがウェブ編集もやるし受注も発送もやります。(お茶くみはしないけど)

むしろ、「いろいろな業務を経験するほうが起業のためなるのではないか?」って思いますが、いかがでしょう。

コネは作ろうと思わないこと。

コネについては、個人的な見解を述べさせてもらいます。

商売歴(ECや実店舗ビジネス、商社等)25年ほどになりますが、これまで「コネを作ろう」と思って行動したことはありません。

コネは勝手に(自然に)できるもの。」と思っています。

そして、実際そうなっています。

極端な話ですが、有名企業の社長と会ったときに「この人と繋っておきたい。」って思ったりします。

でも、自分のビジネスのステージと違うところにいる人とは、よほどのことがない限りからめませんし、円も続かないです。

年商2~3億の企業を経営する社長と、国内に数千店舗を展開する年商200億を超える企業の社長とでは、普段考えていることがまったく違うので、話は合わないのです。(部分的には合うけど。)

例えば、スタッフ10人のECサイトの社長は、スタッフを直接扱いますが、従業員数百名、数千名の企業の社長は、スタッフと直接触れ合うことはなく、スタッフを束ねるマネージャをどう扱うか?ということになります。

年商の大小で人間の価値やビジネスの優劣は決まりませんが、普段の仕事内容がまったく違うんです。

もちろん、趣味がビンゴして意気投合するようなことはあります。

でも、「繋がりたい。(コネを作りたい。)」なんて思いだけで連絡をとっても相手は迷惑なだけです。

先方からすると相手するメリットが無いからです。

空気を読めない人が撃沈

ECショップで働いていて、そのときに知り合った仕入先などを独立後に訪ねた人がいました。

まさに、「ECショップでスキルを身に着けてコネを作って。」というパターンです。

確か、楽天ショップだったと思います。

働いていたお店と同業のECサイトを自分で立ち上げようとしたわけです。

ところが、いざ仕入れ先に行って、独立したことを告げ、「仕入れさせて欲しい。』と言ったところ、先方の社長は次のように言いました。

「うちは、あの社長だから取引してるんだよ。新規の方はお断りよ。」

つまり、以前のECショップの社長と仕入先の社長は、長年の信頼関係で結ばれているからこそ商品を卸していたわけです。

そこへ、いくらそのECショップで働いていたとはいえ、仕入先の社長とは人間関係は構築できていません。

だから門前払いになったわけです。

これは、どこの業界でも「あるある」です。

「会社の看板を背負っているからこそ」お付き合いしてくれているということに、辞めてから気づくやつです。

特に、小さな業界は人間的なつながりを重視することが多いので、「ただ知っている」だけで「コネができた」と勘違いして失敗する人も多いようです。

絶品オペレーションは盗め

「商品をどのようにマーケティングして販売していくか。」といったノウハウは、すでに出尽くしているので、わざわざ就職までして身につけるようなことではないです。

それよりも、どうせ就職するならオペレーションについて学んでみてはいかがでしょうか。

オペレーションとは、例えば、ラーメン屋で注文を受けてからお客さんにラーメンを提供するまでの一連の「動き」のことです。

ECサイト運営においても、オペレーションは存在します。

オペレーションについては、企業によってバラバラです。

例えば、IT化が進む世の中なのに未だにFAXを使っている会社もあれば、一切紙を使わない会社もあります。

オペレーションを見ると「、経営者がどこまで効率化を考え実践しているか?」ということがちょんバレです。

「年商15億売っている。」と聞くと、スゴイと思うかもしれませんが、内容は意外にアナログで非効率なことばかりやっていたりします。

ま、これは私が関連している地方の会社なんですが・・・

一方、最近だとUber Eatsなど、関連会社で使っていますが、システムがスゴイ。

とにかく、「すべてITやAIで動かしているんじゃないか?」ってくらいシステムが作り込まれています。

契約書さえ紙を使わず電子契約です。

人がやらなくて良いことはどんどんコンピューターにやらしているわけです。

あ、アマゾンもそうですね。

ECサイトをやっている者にとって、あの返品手続きのしやすさはショックでした。

ポチポチとやるだけで翌日にヤマト運輸さんが引き取りにきてくれましたから。

伝票を作成する手間もなければ、郵便局に行く必要もなし。