消費者の購買決定プロセスAIDMAの法則の例

AIDMAの法則

消費者が商品を購入するまでの心理を5つのステップに分けたのがAIDMAの法則です。ネットショップ運営者にとってはおなじみの法則ですが、(1)Attention(注目する)、(2)Interest(興味を持つ)、(3)Desire(欲しいと思う)、(4)Memory(おぼえる)、(5)Action(購入する)、というあれです。

ただ、この法則を知っていても、自社の商品に取り入れようとすると、これがなかなか大変なんですよね。どうやって注目してもらうか?」というところでは、「どんなキャッチコピーが良いのか?」を考えるところからスタートして、「興味をもってもらうには、何を伝えれば良い?」など、各ステップでそれぞれ使う言葉やイメージも違います。

購入してもらうには、5ステップ分全部用意しないといけないので一朝一夕では完成しないですね。そこで、今回は、市場規模としては、まだ小さいロボット掃除機を例に、AIDMAの法則に当てはめて考えてみたいと思います。

ステップ1.注目してもらう

例えば、家電を販売している販売サイトの中にバナーを表示するとします。ロボット掃除機のメリットは、「人間が掃除しなくて済む」という部分だと思うので、キャッチコピーとして「今ある掃除機は捨てましょう。」とか「奥さん、まだ掃除してるの?」とかでしょうか。とにかく「はっ!」と気づいて注目してもらうのが第1ステップです。

ステップ2.興味を持ってもらう

「奥さん、まだ掃除してるの?」なんてのは、もしかすると「え?どういうこと?」と注目してくれるかもしれません。認知的不協和というやつです。「掃除=主婦」という矛盾の心理的なギャップを埋めようと先へ進みます。

ここでは、ステップ1で発生した心理的なギャップを埋めるため、「そういう趣旨の商品なのか。」とその答えを示すのが良いでしょう。「ロボット掃除機なら、あなたに代わって自動で掃除をしてくれます。」といった感じですね。

また、ロボット掃除機とは、充電式で人工知能が搭載されていて、ゴミの存在をキャッチして吸引の強さを調節しながらきれいにしてくれます。一通りきれいにしたら、自分で充電ドックに戻ります。

ステップ3.欲しいと思ってもらう

商品の存在を知ってもらったなら、今度は「欲しい」と思ってもらう必要があります。ここは、ベネフィット、つまり、商品を購入することで「どんな未来が待っているのか?」といったことをアピールしていきます。

「もう、あの重たい掃除機を出してきて、騒音のなか汗水たらして掃除機をかけ、そしてまたかたずける。家事の中でも、もっとつらい仕事ですよね。もう、そんなことしなくていいんです。」

「予約タイマーもあるので、お出かけ中に部屋を掃除してくれます。帰宅時は、ホコリひとつないきれいなお部屋があなたをお出迎え。ゴミはワンタッチで捨てることができます。紙パック不使用なので、切れるたびに買う必要もありません。も」など、まぁ~そんなこと言われるほ欲しくなっちゃいますよね~?

ステップ4.記憶してもらう

「欲しいなぁ~」と思っても、値段を見るとそれなりです。この時点で衝動買いする人がいる一方、いろんな「買わない言い訳を作って、「また、次の機会にでも検討しよう。」という人もたくさんいます。そういった最終行動をとらない人に、追い打ちをかけるのが、このステップ4の記憶。

ちょと「記憶」というのはしっくりこない感じがしますが、ここでは、「家事のストレスから解放されました!」「掃除は大っ嫌いだったのでとても助かってます。」といったお「客様の声」を紹介したり、「昨日の出荷台数:53台」、「有名人も使っていること」(ハロー効果)を紹介したりなどです。コンスタントに注文が入っている商品なら、リアルタイムの注文状況を見せても良いでしょう。

ステップ5.購入してもらう

いよいよクライマックスです。ステップ1から入ってきたお客様も、AIDMAの設計通り進んでくれたなら、もう感極まって「購入ボタンどこ!?早く押したいんですけど!?」とスマホやタブレット、パソコンの画面を見ながら泣き叫んでいるかもしれません。

そこで、「ショッピングカートに入れる」ボタンだけを用意するだけでは詰めが甘いんです。この段階で、感動して「よし購入しよう。」と思ってい人でも、「いや、ちょっと待てよ。」と、また、買わない理由の神様が下りてくる場合があります。

その対策として、ステップ5では、とどめを刺しておきます。具体的には、「3分以内に購入すると10%OFFです。(割引)」「大変人気のため1日の出荷台数は60台までです。(限定)」「気に入らなければ代金はお返しします。(返金保証)。など、そして、テレビ通販でお馴染みの「ご注文は今すぐ!」で完了です。

最後に

いかがでしたでしょうか。このAIDMAの法則は、なんと今から約100年も前、1920年にアメリカのサミュエルという人が提唱した理論です。今でも通用するのには驚きですね。

今回のお掃除ロボットをAIDMAに当てはめてみましたが、これで売れるかどうかはわかりません(^^;)。実は、AIDMA以外、購買心理関係では、AIDAやAISAS、PASONAの法則、QUESTの法則なんてのもあります。

そのまま応用してうまくいこともあれば、自分なりにアレンジ発展させないといけない場合もあり、取り組んでみるとなかなか楽しいですよ。



ABOUTこの記事をかいた人

ゆるい起業家。ECや飲食、コンサル、投資*などをいろいろやってます。座右の銘は「のらりくらり」。*マルチやネットワークではない。まっとうな投資。